半導体加工会社のノウハウをワイン造りへ
勝沼の伝統も大切にする注目のワイナリー
MGVsワイナリーは半導体加工を手掛ける塩山製作所が2017年4月に立ち上げたワイナリー。他のワイナリーとは一線を画す、実にユニークな背景を持ちます。そして、この半導体加工会社として培ったノウハウは品質管理、衛生管理、作業管理など、ワイン造りのさまざまな面に活かされているのです。
例えば、精密機器を酸化からまもる窒素のタンクはワインを酸化から守るために使用。また、「クリーンルーム」(空気中の浮遊微粒子や浮遊微生物などが一定の清浄度レベル以下になるように管理された部屋)もビン詰め作業用に改造しています。
さらに、タンクの温度管理や制御装置、畑の虫除けシャッターや定点カメラ、気象観測の機器などもワイナリー立ち上げに当って開発。ワイン造りにおけるあらゆるデータを細かく蓄積しています。
そしてMGVsワイナリーでは“土地に根ざしたワイン”を造るべく、「甲州」や「マスカット・ベーリーA」など日本固有の品種に特化したブドウ栽培を行っています。ワイナリーがある勝沼の良き伝統も大切にしつつ、半導体で培った新たなノウハウが組み合わさったワイン造りがされているのです。
そんなMGVsワイナリーが造る銘柄は、エチケット(ラベル)も特徴の1つ。アートディレクター兼デザイナーとして活躍する田子學氏が手掛けるデザインは、モダンかつシックな印象で、飲む前からワインへの期待を存分に膨らませてくれます。